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2007年03月22日

商品サイクル

消費者は浮気者?
消費者は飽きやすい?
消費者は忘れやすい?

消費者はみんなそうです。
私もそうです。みなさんもそうではないでしょうか?
いつものお茶を買うつもりで、お店の棚の前に立ち、
いつものI社のお茶に手を伸ばそうとした時、
ふと、その隣に見慣れぬ姿のS社の新製品、
なにやら「おいしい」とか「こだわり」とか、
「よりすぐりの」「健康に・・・」「新鮮な・・・」など等の、
小さいながら心を引く文字が目に入り、価格を見ると変わらない、
ならば、今回はS社の新製品を試してみよう。

この心理は誰もが経験しているのですが、
不思議なことに、その瞬間のことや、いままでの記憶が消え、
次回は、そのS社の新製品に自然に手が伸びているのです。
もう、以前の好みのI社のお茶なんて忘れてしまっているのです。

好みのI社のお茶は舌に慣れて安心感はあったのですが、
新しいS社のお茶はその慣れた舌を十二分に刺激し、
異なるおいしさを記憶させてしまったのです。
実際には大差はないのですが・・・

でもまた、同じことが繰り返されます。
こんどは、飲み慣れたS社のお茶の隣に、
I社の新製品が並び、同様にその新製品を手に取り、
また、しばらくI社のお茶を購入するのでした。

卵とて同じことです。
いえ、卵こそ味の差は微妙で、イメージが大切なのです。
直売の卵が量販店より高値で販売されているのは、
ある意味、イメージ的な部分もあります。

いつもの共同直売所で、
いつもの卵を買おうとレジカゴにまで入れていたのに、
別の棚でなにやら新しい卵を発見!!「ごま」を飼料に添加した卵らしい。
ブームである「ごま」に反応したお客様、
生産者をしっかり確認して「あ~以前に買っていた生産者だわ、ならなお安心」。
さっそく、レジカゴの中のいつもの卵を元に戻して、あたらしい「ごまたまご」を購入。

本当によくある話です。
極端な例は容器を変えただけで、品名を変えただけでもこの現象は現れます。
ただし、新しい商品を出すときも必ず従来の商品は継続させます。
当然ですが、歴史は重く、ブランドは高く、長年愛されている商品は、
お客様の間に根付いていますから、なくすことはできません。
量が少なくなっても看板として残しておくことが重要です。
本当に販売量が僅かになって、それに変わる看板商品が出来上がったときには、
効率を考えて無くすことが合理的かもしれません。

お得意様が遠路はるばる貴方の直売所を目指して、
車で走っている途中に、なにやら新しい卵の直販所?
「うみたてたまご」「こだわりの自然卵」「平飼い有精卵」の
のぼり旗がたなびいて、窓ガラスの向こうには、
何種類もの卵が並んでいる様子が見えます。
直売所で卵を買うお客様は、好奇心旺盛です。
必ずと言っていいほどチェックのために入店してしまいます。

今日はここで買って帰ろうか・・・そうです。
お得意様一人取られてしまいました。
この対策は一つ高度な技を使う必要があります。
途中のライバル店を通り過ぎて来店してもらう工夫がいります。
最近流行のポイントサービスが代表的ですが、
サービス券でも、無料券でもなんでも良いのです。
とにかく次回ご来店特典を常に準備しておくことです。
お買い上げ時に進呈しても良いし、商品に添付しておく方法もあります。
日頃から、お客様名簿があればダイレクトメールも有効ですし、
ホームページからのクーポンもいいですね。
もちろん、競合店に負けない品揃えや、にぎやかさも忘れてはなりません。

なにより、お得意様としての待遇を忘れてはなりません。
常連さんには特に接客時に優越感をサービスとして提供して下さい。
何回も買いに来ているのに知らんぷりでは、
他店に行ってくださいと言っているようなものです。

いままでは、この他店が少なく、
競合なんて気にすることはなかったでしょうか、
これからはそうも行きません。
実店舗が近くになくても、インターネット上に
バーチャルショップは毎日のように増え続けています。
今は、まだ送料の壁を越えられないので、
足踏みしていますが、もうすぐ近くにまで押し寄せてきています。

たまごの直売もあの手、この手が必要な時期になりました。
猫の手を借りるくらい忙しくなりたいですね。

投稿者 Melody : 2007年03月22日 11:42